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【紫微斗数】財帛宮と官禄宮について~第5回(最終回)~

みなさん天機です٩(ˊᗜˋ*)و

 

 

今回もまた、紫微斗数という東洋の占いでの、

財帛宮(ざいはくきゅう)と官禄宮(かんろくきゅう)のお話です。

 

このシリーズのお話は、

今回でいちおう最終回にしようと思っています。

 

 

さて。

 

前回まではどのようなお話をしてきたかと言いますと。

 

 

官禄宮と夫妻宮というのは、紫微斗数ではおたがいに向かい合った

位置関係にあるのですが、

この官禄宮ー夫妻宮というラインは、

どちらかというと義務や責任といったものを強く示すラインであり、

それゆえ、一般民衆の生き方と強いかかわりのあるラインだ、

ということでした。

 

具体的には、

官禄宮というのは、雇用されてお給料を得る生き方をしめしており、

それゆえ、

一般民衆の経済生活をしめしているということ。

 

そして、夫妻宮というのは、特定のたった1人の配偶者を選択決定し、

そのひととのあいだで子孫をもうけて家庭を築いていくという

生き方をしめしており、

それゆえ、一般民衆の家族生活をしめしているということ。

 

 

それに対して、財帛宮と福徳宮というのは、

どんなだったかと言いますと。

 

 

財帛宮と福徳宮もまた、紫微斗数の部屋のなかでは

おたがいに向かい合った位置関係にある2つの部屋なのですが。

 

この財帛宮ー福徳宮というラインは、どちらかというと、

享楽や楽しみ、快楽といったものと強い関係のあるラインだということ。

 

そしてそれゆえに、このラインは、どちらかというと、

王侯貴族とか、富家とか、

そういったひとびとの生き方との結びつきが強いということ。

 

具体的には、

財帛宮というのは、いながらにして自分に流れ込んでくるような、

そんな財源をしめすものなのですが、これは、

王侯貴族の経済生活をしめすものであるということ。

 

 

だいたい、以上のような感じのお話でした。

 

 

そして、前回の記事の最後にすこしふれたのは、

では、

福徳宮というのは、いったい、なにをあらわす部屋なのだろうか?

ということだったのです。

 

 

これまで考えてきたような話の流れをふまえて考察すると、

福徳宮というのは、

普通の現代紫微斗数の解釈では、

精神的な充足度とか、趣味とかいったものをあらわすとされているのですが、

じつは、

王侯貴族の家族生活をしめすものなのではないか?

 

そしてそれは、

特定のただ1人の配偶者だけを選択決定し、

そのひととの間でだけで子供をつくったり家庭を築いたりといった

一般民衆の家族生活とは「異なる」ものなのではないか。

 

さらに、財帛宮-福徳宮というのが享楽ラインであるために、

この、福徳宮のあらわす王侯貴族の家族生活というものにも、

享楽的な要素がふくまれてくるのではないか、ということだったのです。

 

 

では具体的に。

福徳宮というのは、いったい、どんなことをあらわす

部屋だったのだろう?

 

 

じつはこれは、

かつての中国に存在したような、

皇帝にとっての後宮のようなものを意味するのではないか、と、

自分は考えるのです。

 

 

かつての中国には、その首都の宮殿に、

宮中と府中という区別がありました。

 

府中なんかは、関係があるのかどうかは知りませんが、

東京に府中市なんていう市もありますね。

 

 

歴史的に、中国首府における府中というのは、

百官がならぶ表向きの政治をあつかう場として存在してきました。

 

対して宮中というのは、

皇帝と、その皇帝が愛することになる女性たち、

その女性たちの世話をする宦官(かんがん)など、

皇帝の私的な家庭生活をつかさどる場だったのです。

 

 

この後宮、いいかたを変えればハーレムのようなものは、

中国以外にも、オスマントルコや金、モンゴル帝国など、

アジア大陸の帝国にはしばしば見られるものです。

 

 

対して、ヨーロッパ諸国にはあまり見られない。

 

たとえば、フランスの〇〇王朝とか、

まあ、ヨーロッパ各国にはいろんな王朝がありましたけれども、

たいてい、

王様とお妃さま、という組み合わせがイメージできますよね?

 

王様が、数えきれないほどのたくさんの女性に囲まれて

ハーレム的な生活を満喫していた、とかいうのは、

ヨーロッパの王朝では、あまり聞かないように思うのです。

 

 

これは、ヨーロッパの文明が先進的であって

アジアの文明が遅れていたから、なのでしょうか?

 

 

かならずしも、いちがいにそうとは言い切れないところがあります。

 

というのも、

ヨーロッパと、中国に代表されるようなアジアとでは、

もとになる文明とか、考え方というのが、

大きく異なってきたからです。

 

 

ヨーロッパというのは、けっこうな古くから、

キリスト教がさかんでした。

 

そこで偉いのは、唯一神となる、神様、それだけです。

 

この、圧倒的に偉い存在である唯一神がいるので、

ヨーロッパでは、

人間が神様と肩を並べるくらい偉くなりうる、

という考え方は育ちにくく、また、排斥されるものでもあったのですね。

 

そのために、ヨーロッパにおいては、

たとえ国王が一国を支配するような権力をもつことになっても、

自由気ままにその欲望をかなえてよい、ということにはならず、

一定の自制が求められることになり、それが、

ある意味では禁欲的な、別の意味では道徳的な、

家族生活の形成につながっていったのかもしれません。

 

 

ところがアジア、とりわけ中国のようなところでは、

そうではありませんでした。

 

 

中国大陸においては歴史上、

人間のうえに君臨するような、絶対的な唯一神が存在した

ことがありません。

 

かわりに、といってはなんですが、

この地ではしばしば、

神のような力をもつ特殊な人間の存在が観念されてきたのです。

 

 

その1つは、仙人とかですね。

 

自由自在に雲に乗って空を飛ぶことができたりして、

封神演義という作品以外にも、

中国人にはなじみのある、よく登場する存在です。

 

 

そしてもう1つが、皇帝なのです。

 

 

中国における皇帝は、権力者という意味では

ヨーロッパの国王に似ているかもしれませんが、

それにとどまるものではないのです。

 

 

天人合一説、という考え方が、中国にはありました。

 

 

天界のこと、すなわち、

この世の自然現象とか、森羅万象とかいったものは、

人間と関連がある、という考え方のことです。

 

 

この考え方は、中国においては古くから存在し、

たとえば、

聖人君子が誕生すれば、珍しい植物が咲くなどの瑞兆があらわれ、

また、

為政者が民のことを考えずに暴政をおこなえば、

天変地異とか飢饉などの自然災害が生じるのだ、と、

そのように考えられてきたのですね。

 

 

中国における皇帝というのは、竜の化身である、

という考え方もあり、

皇帝の顔のことを竜顔などと美称することもおこなわれてきました。

 

 

つまり。

 

 

中国における皇帝というのは、

ただ単に、人間世界においてたまたま偶然に権力をもつことになった

一人間、というよりは、

なんだか神がかり的なものが想定されているのです。

 

 

それゆえ、歴代中国の皇帝というのは、

ヨーロッパの国王なんかにくらべると絶大な権力をもつことになり、

その権力は中国大陸全土におよんで、

その欲望を思うがままに満たすこともまた、

天から許されていると、そのように考えられてきたのです。

 

そして、そのような欲望をみたすことの具体的なあらわれが、

制度としての後宮制度であったのです。

 

 

後宮制度について扱ったドラマや小説、漫画などの娯楽作品は、

こんにちでも、いくつかあります。

 

 

たとえば、漫画でいえば、薬屋のひとりごと

なんていうコミックもヒットしましたし、

中国の後宮ではありませんが、日本の徳川時代の大奥なんかについても、

大奥、なんていう映画もヒットしました。

 

 

こういった作品は、多くのひとに読んで、見てもらわないと

いけませんし、

多くの支持をあつめないといけませんから、

無用の反感をもたれては困るわけです。

 

また、エンターテインメントとしても面白くなければいけません。

 

 

なので、そういった作品の中では、

貴族的な生活風景とか、女官とかの確執とか、

そういったことが主に描かれがちなのです。

 

 

が、もともとの歴代中国にあった後宮の、本来の目的というのは、

皇帝という1人の男性の性欲を野放図にみたすこと、

という、身もふたもないものなのです。

 

そんな身もふたもないことを、娯楽作品でとりあげても

あまり面白くありませんから、

娯楽作品でとりあげるときには、そこは無視して、

貴族生活だの恋愛だので粉飾します。

 

 

ともあれ、このように見てくると、

紫微斗数での福徳宮というのが、

おもに王侯貴族たちの家族生活というものをあらわしている

ということが明らかになってきます。

 

それは端的には、皇帝の後宮に象徴されるようなものであって、

たった1人の配偶者とのあいだに家族をもうけるのではなく

多数の女性とのあいだに何人、何十人という皇子をもうける点において

一般人の家族生活とはことなっており、

また、性欲の充足ということがからんでくる点において、

享楽的な要素がはいってくる、ということなのでした。

 

 

さて。最後になりますが。

 

 

このように、紫微斗数においては、

官禄宮ー夫妻宮という、一般人の生活に濃厚にかかわるラインと、

財帛宮ー福徳宮という、王侯貴族の生活に濃厚にかかわるラインの、

2つのラインがあるわけなのですが。

 

 

こんにち、21世紀のこの時代というのは、

民主主義の時代であって、王侯貴族なんてものは存在しないわけです。

 

 

となると、こんにちの我々にとっては、

ふつうの一般生活をおくっていくうえでは、

一般人の生活をあらわす官禄宮ー夫妻宮のラインが、

非常に重要になってきます。

 

 

この、官禄宮とか夫妻宮とかに、

凶星が蝟集していて、状態があんまりよろしくないとかいうことになると、

現代という時代において普通の生活をおくっていくのは、

とても難しくなります。

 

簡単にいうと、

雇用されるという形態での仕事につくのに失敗し、

パートナーも見つからない、などといったことが起こりがちです。

 

 

ほとんどの人は、サラリーマンになって、

結婚して子供をもうけるというのが普通の生活である現代ですから、

官禄宮と夫妻宮に吉星が多くて良い状態であるならば、

とてもスムーズに現代という時代を渡っていけそうです。

 

すなわち、

いいところに就職して、人がうらやむような結婚をする、

といったパターンです。

 

 

では、官禄宮と夫妻宮がともにダメなひとは、

もはや、この現代でまともな生活をおくることはあきらめて、

絶望するしかないのでしょうか。

 

 

そうとは限りません。

 

 

そこで注目してほしいのが、いままで述べてきた、

王侯貴族の生活をあらわす、

財帛宮と福徳宮のラインなのです。

 

 

現代のこんにちにおいて、

一般的な普通の生活をおくることがむずかしいのであれば、

あえて、

一般的でもなく普通でもない生活のほうを志向してみるのも、

1つの手です。

 

そのときにポイントになるのが、

財帛宮と福徳宮なのだということなのです。

 

 

実際、昭和の歌謡界の女王といわれた美空ひばりは、

その紫微斗数の命盤をみてみると、

一般的な生活をあらわす官禄宮と夫妻宮のラインはとても悪いのですが、

ふつうではない生き方をあらわす財帛宮と福徳宮のラインは

とてもいいひとでした。

 

 

もし彼女が、どこかに雇用されて生活する生き方をえらんでいたら、

たぶん、陽の目を見ないことになったでしょう。

 

雇用されて生きるという一般的な経済生活をあらわす官禄宮が

悪いからです。

 

 

また、彼女は、一般的な家族生活をあらわす夫妻宮も悪いので、

結婚生活にも恵まれませんでした。

 

 

そのかわり、

自分自身が個人事業主となって生きるような生き方をあらわす

財帛宮はよいので、

歌手となって莫大な財産を手にすることになったのです。

 

 

ですので、

一般人としての生活をあらわす官禄宮と夫妻宮のラインが悪い人は、

一般的ではない生き方をしめす

財帛宮と福徳宮のしめす暗示にしたがって生きていくのもいいと思います。

 

 

具体的には、

雇用されて生きていくのではなく、たとえば、

フリーランスで仕事をしたり、ネットをつかって個人で仕事をしたり、

自分が雇う側になったり、投資で生活したり、

といったようなことです。

 

 

また、家族生活の面でいうなら、

結婚して子供をもうけることを断念して、

趣味的なものに生きたり、ドンファンになって浮名をながす、

というようなことでしょうか。

 

 

ともあれ、

生き方というのはこれだけしかない、と考えてしまうと、

なんとなく追い詰められた気分になったり、

自分のべつな可能性を閉ざしてしまったりすることになるかも

しれません。

 

 

べつな方向にも自分の可能性はあるんじゃないか。

 

 

そんなふうに考えてみることの大切さを、

紫微斗数という占いの構造が、

教えてくれているような気もします。

 

 

以上、天機でした( ´ ▽ ` )ノ

 

 

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