この世界の不思議

この世界のいろんなことについて、思ったことを書いていきます。

苦の総量を減らそうとすると。

みなさん天機です٩(ˊᗜˋ*)و

 

 

 

今回は、苦の総量を減らそうとすると、というお話を

書いていきたいと思います。

 

 

 

このブログを読んでいるひとなら思うかもしれません。

 

 

 

このブログ主の天機というやつは、本当にいつも、

苦のことばっかり言ってるなあ、と。

 

 

 

そうなのです。

 

 

 

自分は苦のことについてブログに書くことが、本当に多いです。

 

 

 

1つには、天機のこれまでの人生が主観的に苦の多い人生であったからで、

苦しみに関心が強いことがあります。

 

 

 

もう1つは、天機という人間は、

楽しみが増えることよりも、苦しみが減ることのほうに

大きな価値を見出す人間であるという、

個人的な選好の問題があります。

 

 

 

ではさっそく、今回も苦のお話をしていきましょう٩(ˊᗜˋ*)و

 

 

 

天機に限ったことではないですが、人間だれしも、

苦しみは、なるべくなら、ないほうがいい、少ないほうがいい、

と思うものかもしれません。

 

 

 

ですので、苦しみを少しでも減らそうとするのは、

ふつうに考えたら、いいことのはずだと思うんです。

 

 

 

個人的に自分の苦しみを減らすよう試みるひとは、

知恵のあるひとですが、

ひろく世の中みんなの苦しみを減らしてあげようと

努力するひとなんかは、

きっと、その行為のゆえに、おおいなる報いを受けても

よさそうに、天機なんかは思うのですね٩( ๑╹ ꇴ╹)۶

 

 

 

ところが、です。

 

 

 

じつは、人間の歴史をふりかえってみると、どういうわけか、

個人的な苦しみを超えて、

ひろく世の中みんなの苦しみを減らそうとしたひと、

言葉をかえると、

この世界の苦の総量を減らそうとしたかのようなひとは、

この世界から罰せられるかのように、

本人に苦が与えられることがよくあるのですね((((;゚Д゚))))

 

 

 

では、そのような例をみていきましょう。

 

 

 

まずは、プロメテウスのお話。

 

 

 

これは人間の歴史ではなく、神話のなかのお話なのですが。

 

 

 

ギリシャ神話に、プロメテウスという神様がいました。

 

 

 

プロメテウスは、人間が寒さに苦しんでいるのを見てあわれに思い、

なんとかして人間を助けてあげたいと思って、

天界から火を盗み出して人間にあたえました。

 

 

 

そのために人間は寒さからまぬかれ、苦しみが大きく減ったのですが。

 

 

 

そのことをおこなったプロメテウスは、

天界の最高神であるゼウスの怒りにふれて、

なんと、生きながらにして内臓を大鷹についばまれ続けるという

責め苦を課せられることになってしまうのです((((;゚Д゚))))

 

しかも、気の遠くなるほどの、長い長い期間にわたって。

 

 

 

これが、プロメテウスのお話です。

 

 

 

苦をとりのぞいてあげようとしたプロメテウス、

なぜだか、自分がおおきな苦しみに見舞われることに

なってしまったのですね。

 

 

 

では、つぎに、古代中国のお話。

 

 

 

古代中国で、秦の始皇帝亡き後に争乱が勃発し、

そのなかから、楚の項羽と、漢の劉邦がたたかうことになりました。

 

 

 

その漢の劉邦の配下に、陳平という作戦家がいました。

 

 

 

あるとき、劉邦とその配下は、籠城戦をたたかうことになります。

 

 

 

項羽の軍勢にかこまれて、なんとかして劉邦以下をその城から

脱出させないといけない、となったとき。

 

 

 

陳平は、ひとつの案をだします。

 

 

 

それは、囮(おとり)となる者を劉邦に化けさせて城に残し、

偽りの降伏、開城を宣言して、

そのすきに本当の劉邦以下は脱出する、というものでした。

 

 

 

そうすると問題になるのが、だれをおとりにするのか、

ということです。

 

 

 

ふつうはだれもが、天下がさだまったあかつきには

栄達したいと思うもので、

戦いのさなかにおいて、こんなところで犬死にしたい

と希望するような人間を見つけ出すのは、容易なことではありません。

 

 

 

ですが。

 

 

 

ここに紀信という漢(おとこ)がおり、

自分がおとりになってここで死のう、と申し出ました。

 

 

 

偽りの降伏にあたっては、

婦人たちを何千人も兵士に化けさせて、劉邦軍の兵士のように

見せかけるということも案にあったのですが、

紀信は、この婦人たちが敵につかまってひどい目にあわされない

ようにするにはどうしたらいいのか、

ということが気になりました。

 

 

 

それで紀信は、勝手に漢(国名の漢、劉邦軍)の金庫をひらいて

婦人たちに財貨をもたせて、

逃げるときにそれをばらまきながら逃げなさい、

そうすれば追手から逃げるのに時間をかせげるから、

と教えました。

 

 

 

このように紀信という人間は、

男気があるだけでなく、婦人たちのことを思いやる優しさまで

持ち合わせていたのですが、

偽りの降伏によって項羽にとらえられ、焼き殺されてしまいました。

 

 

 

何千人という婦人たちの苦しみをとりのぞいてあげようと

苦心した紀信は、

みずからは焼き殺されるという悲運におちいったのですね。

 

 

 

では最後の例です。杉原千畝(すぎはら ちうね)のお話です。

 

 

 

この人の名前は、聞いたことがあるよ、というひとも

けっこういるかもしれません。

 

 

 

このひとは、第二次世界大戦のとき、

日本の外交官だったひとです。

 

リトアニアに赴任していました。

 

 

 

当時のナチスドイツというのは、ユダヤ人を迫害していましたので、

おおくのユダヤ人たちが命からがら、ドイツから逃れていまして、

リトアニアに外交官として赴任していた杉原のもとにも、

日本を経由するビザを発行してほしいと、

多くのユダヤ人たちが押し寄せてきました。

 

 

 

でも、当時の日本はナチスドイツとは同盟関係にありましたので、

日本の中央政府からはリトアニアの杉原に対して、

ユダヤ人を通過させるようなビザの発給は認められない、

と通達がくるわけです。

 

 

 

杉原は、そんな命令が日本政府からきていたので悩みましたが、

ユダヤ人を見殺しにするのは忍びなく、

ついにビザを独断で発行することにし、実行しました。

 

そのために助かったユダヤ人は、数千人にのぼるそうです。

 

 

 

ところが、第二次大戦後。

 

 

 

戦争が終わって平和になった日本では、

中央政府の命令に違反して独断で事をおこなった杉原にたいする

視線は厳しく、

杉原は、外務省内で冷遇されながら後半生をおくることに

なってしまいました。

 

 

 

プロメテウス、紀信、杉原千畝と、

3つの例をあげてきましたが、いかがでしたでしょうか。

 

 

 

この世の中では、憎まれっ子世にはばかるではありませんが、

自分の私利私欲を図って他人を傷つける者は、

案外、のさばったりします。

 

 

 

また、理由があって、

自分の友人とか、親しい身内とかの苦しみを救ってあげたい

と尽力することは、よく見られることであり、

とくにこの世界から罰を受けるようなことは、なさそうです。

 

 

 

ところが。

 

 

 

親しい人間関係の範囲を超えて、

たとえば何千何万というような、ひろく世間のみんなの

苦をとりのぞいてあげたい、などと考えて、

それを実行すると、

どういうわけか、

それを実行した本人に、途方もないおおきな苦が

あたえられるようなことが、ときにあるのです。

 

 

 

まるで、この世界が、

この世界の苦の総量を減らそうとした者を、

罰するかのように。

 

 

 

これがどういう理由なのかは、天機にも、よくわかりません。

 

 

 

ふつうは、苦を取り除くこと、苦を減らすことは、

無条件に良いことであるようにも思えます。

 

 

 

しかしこの世界をつかさどるものは、もっと深遠な原理を見据えていて、

苦を減らしてしまうことはかならずしも良いこととはいえない、

と考えているのかもしれません。

 

 

 

なので、このブログを読んでいるみなさんは、

個人的な人間関係の範囲を超えて、

ひろく万民の苦を除こうと思い立ったときには、

よくよく注意なさってください。

 

 

 

どうしてもそれをおこないたいときには、

万民の苦をのぞこうとするのと同時に、

個人的な利得も図っておくとかして、なにか、

自分は完全な善にはならないんだ、ということを、

世界に向かってこっそりとアピールしておくことも

忘れないようになさったほうがいいかと思います。

 

 

 

以上、天機でした( ´ ▽ ` )ノ