この世界の不思議

この世界のいろんなことについて、思ったことを書いていきます。

童話「3つの願い事」と、人間の願うもの。

みなさん天機です٩(ˊᗜˋ*)و

 

 

今回は、西洋につたわる童話をもとにして、

人間はどんなことを願っているのだろうか、

ということについて考えていきたいと思います。

(この記事の字数 約2600字)

 

 

その西洋の童話というのは、

「3つの願い事」

というお話です٩( ๑╹ ꇴ╹)۶

 

 

3つの願い事の童話には、国によって

いろんなバージョンがあるのですが、今回は

プリンにまつわるお話を紹介しようと思います。

 

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こんなお話です。

 

 

あるところに、あまり豊かではない夫婦が暮らしていました。

 

夫婦の食事は、毎日、

基本的にはパンとスープだけでした。

 

 

あるとき、

そんな夫婦のところに、旅の男性がおとずれました。

 

 

男性は、

「おなかが空いて困っているのだが、

どうか、食事をめぐんでいただけないだろうか?」

と夫婦にたのんだのです。

 

 

夫婦は、

「どうぞどうぞ。パンとスープ以外にはおもてなしも

 できませんが、それでもよろしければ」

と言って、旅人をパンとスープでもてなしました。

 

 

旅人は、食べ終わると

「これはごちそうになりました。お礼と言ってはなんですが、

 あなたがたの願い事を3つだけ、

 かなえてさしあげましょう。

 どんな願い事でも3つだけかなうことになります。」

と夫婦に言いました。

 

 

夫婦はおどろきましたが、旅人は

「明日の朝になればわかりますよ。」

と言って、立ち去ったのです。

 

 

そして翌朝。

 

 

いつものようにパンとスープの朝食をとろうとしているとき、

ふと、夫が何の気なしに言いました。

 

 

「うちはいっつもパンとスープばかりだなあ。

 たまには美味しいプリンでも食べたいもんだなあ。」

と。

 

 

すると、なんということでしょう。

 

 

夫婦の目の前のテーブルのうえに、

たちまち大きくて美味しそうなプリンがあらわれたのです!

 

 

夫は、

「やや、これは美味しそうなプリンだなあ!」

と喜びます。

 

 

これを見て、おさまらないのが奥さんです。

 

 

「あんた!なんてこと言ってくれるのよ!

 これで大切な願い事が1個消えちゃったじゃないの!

 どうしてくれるのよ!

 この馬鹿!あほ!とんま!うすのろ!はげ!」

と、罵詈雑言を並べたてました。

 

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そして、

「こんなプリンなんかいらないわ!

 こんなもの、あんたの頭の上に乗っかっちゃえばいいのに!」

と叫んだのです。

 

 

すると、なんということでしょう。

 

たちまち、プリンは夫の頭の上に鎮座してしまいました。

 

 

夫はなんとかして、頭のうえのプリンを取り除こうと

しましたが、

どういうわけか、プリンはびくともしません。

 

思わず夫は言いました。

「ああ、このプリンが俺の頭からいなくなってくれたらなあ!」

 

 

その瞬間、プリンはもとのテーブルのうえに戻っていました。

 

 

3つの願い事の権利を使い果たしてしまったことに気づいた夫婦は、

ひどく落胆しました。

 

 

でも、嘆いていてもしかたないので、

どちらからともなく、

このプリンを2人で食べようよ、という話になったのです。

 

 

それで2人でそのプリンを食べたのですが、

それは今まで食べたことがないくらい、

とても美味しいプリンだったそうです。

 

 

ちゃんちゃん。

 

 

とまあ、このようなお話なのですね。

 

 

このお話を聞かれて、みなさんはどのように

思われたでしょうか?٩( ๑╹ ꇴ╹)۶

 

 

こんなくだらないことに願いを使ってしまって

あほだなあ、とか、

もっとよく考えて願い事をしたらよかったのに、とか、

でも美味しいプリンが食べられてよかったよね、とか、

いろいろあると思うんです。

 

 

では、もしこのお話に、教訓があるとするなら、

いったいそれは、なんなのでしょう?

 

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願い事をするときには、

よく考えてしないといけないよ、という教訓?

 

小さな願い事に、結局のところ、

幸福はあるんだよ、という教訓?

 

 

 

 

考えられる教訓は、いくつかあると思うんですが、

自分はこのお話を読んで、

 

人間の願い事には

共通点があるんじゃないんだろうか

 

ということを思いました。

 

 

もういちど、このお話を振り返ってみましょう。

 

 

このお話のなかで、ひとが願った願い事は、

 

①プリンが食べたい

②相手の頭のうえにプリンをのっけたい

③自分の頭の上のプリンを取り除きたい

 

の、3つです。

 

 

この、それぞれの願い事を抽象化すると、

 

①自分にプラスになるものが欲しい(プリンが食べたい)

②他人にマイナスを与えたい

 (相手の頭の上にプリンをのっけたい)

③自分からマイナスを取り除きたい

 (自分の頭の上のプリンを取り除きたい)

 

ということになります。

 

 

じつは、この3つの願いという昔話が明らかにしているのは、

人間の願うことというのは、究極的には、

①自分にプラスをよこせ

②他人にマイナスを与えろ

③自分のマイナスを取り除きたい

の、どれかに必ずなる、ということなのではないでしょうか?

 

 

具体例でいうと、

たとえば、自分にプラスをよこせ、というのは、

100万円ください、みたいなものです。

 

他人にマイナスを与えろ、というのは、

憎らしい○○さんに復讐してください、

みたいなものです。

 

そして、自分のマイナスを取り除きたい、というのは、

たとえば、

自分の病気が治りますように、みたいなものです。

 

 

人間の願いというのは、もしかしたら、多くの場合、

このどれかにかならずなるんじゃないだろうか。

 

そんなことを思ったのです。

 

 

そのように言うと、

でも、七夕の短冊にお願い事をするときなんか、

世界平和が実現しますように、とか、

みんなが健康で暮らせますように、とか、

みんなの幸福を願う願い事もあるよ?

とおっしゃるかたも、いるかもしれません。

 

 

でも。

 

 

もし、その願い事が、

 

①通常の願いごととは異なって、

 確実に実現されるという保証のあるものであり、

②願い事を1つ叶えてしまうと、

 自分の願い事を叶える権利が確実に1つ減ってしまう 

 (つまり、願いごとを叶える自分の権利は有限)

 

という場合、

はたして、自分の個人的な願いを叶えるチャンスを犠牲にしてでも

世界のみんなの幸福のために

その願いの権利を使用する人間がいるのか、というと、

もちろん、ゼロではないと思いますが、

その人数はとても少ないものになるんじゃないか、

という気はします( ノД`)

 

 

さて、みなさんは、

どんな願いでも1つだけ叶えてもらう権利を手に入れた場合、

どんなことを願いますか?

 

 

そしてその心に思い浮かんだ願いは、

人間がおそらく願うであろう、

3種類の願いのパターンのどれかに該当しているでしょうか?

 

 

きょうは、そんなお話でした。

 

 

以上、天機でした( ´ ▽ ` )ノ