この世界の不思議

この世界のいろんなことについて、思ったことを書いていきます。

天気の子を見ての感想とか。

みなさん天機です。٩(ˊᗜˋ*)و

 

 

 

今回は、天気の子について書いてみようかと思います。

 

 

 

2019年、世界がまだコロナを経験していなかったころ。

 

 

 

「天気の子」という1つのアニメ映画が、かなりのヒットになっていました。

 

 

 

天機は天気の子を見に行こうかと思ったのですが、やめておきました。

 

 

 

なんとなくです。

 

めんどうだったからかもしれませんし、

お金がなかったからかもしれません。

 

 

 

この天気の子というのは、賛否両論のある映画でした。

 

 

 

映像が綺麗!かっこいい!

 

ラッドウィンプスの音楽がよく合っている!

 

 

 

なんていう意見もあれば。

 

 

 

冒頭からバーニラバニラの宣伝カーが走っている!

 

ラブホテルがでてくる!

 

主人公がすぐ拳銃を撃つし、共感できない!

 

 

 

なんていう意見も。

 

 

 

天機は見たことなかったのですが、

それがたまたま、お正月の1月3日に地上波で放送されるというので、

見てみました。

 

 

 

感想。

 

 

 

なかなかよかった。

 

 

 

その放送の視聴率は8%くらいということで、

ああ、やっぱり賛否両論ある映画だから、そんなに伸びてないなあ、

という印象なのですが、

個人的にはけっこう刺さる映画でした。

 

 

 

この映画の見方、とらえかたは、

いろいろあると思うのですが、天機は、

 

 

 

世界が幸福を手に入れるために、たった1人を犠牲にしていいか?

 

 

 

という、おおきなテーマがあるように思いました。

 

 

 

ここからはネタバレを含みます。

 

 

 

この映画の主人公の女の子は、

ひょんなところから天気をあやつる能力を手に入れます。

 

晴れろ、と祈ると、実際に晴れになります。

 

 

 

当時、東京はずっと異常なことに雨が続いていました。

 

それはもう、非常に長い期間、雨だったのです。

 

 

 

女の子は、自分の能力を使って、晴れにすることで、

いろんな人の願いをかなえていきました。

 

 

 

でも、そんな特異な能力を発揮することには、代償があって。

 

 

 

東京が真夏に雪が降るというとんでもない異常気象に見舞われたとき、

その異常気象を終わらせて、ふたたび青空にしてほしいという

皆の願いをかなえたとき、

その少女は、人柱として、命をとられてしまうのですね(つд`)

 

 

 

で、その少女のことを思う少年がいたのですが。

 

 

 

少年は言うのです。

 

 

 

天気なんかどうだっていい。

少女が生きていてくれるほうが大事なんだ、と。

 

 

 

結果、ふたりは結び合い、

少女は命を保つ代わりに、東京は水没してしまいます。

 

 

 

みなさんは、どう思われるでしょうか。

 

 

 

この映画を気に入らないとおっしゃるかたが、

よく言っていたのが、

 

 

 

この少年は自分勝手だ、と。

 

そして、東京が水没してしまうというラストが意味不明だ、と。

 

この少年少女たちは、自分たちの願いをかなえるために、

東京を水没させて、多くの人を不幸にした、と。

 

 

 

そういうふうに、言うのです。

 

 

 

でも、それって、ほんとうに正しいことなのでしょうか・・・?

 

 

 

すごく多数の人間の利益と、

たった1人とかすごく少数の人間の利益が対立して、

どっちかをとらなければいけないとき、

多数の人間の利益のほうを無条件に優先することが、

ほんとうに、いつも正しいことなのでしょうか・・・・?

 

 

 

天機は、それはちがうんじゃないかな、と思うんですよ。

 

 

 

多数の人間が自分たちの利益を大切に思うように、

たった1人の人間だって、自分の利益を大切に思っているはずです。

 

 

 

多数の人間が自分の利益をはかるために、

たった1人の人間に対して、

 

 

 

おまえは俺たちの利益のために犠牲になれ。

 

 

 

と命令するのは、天機は、

すごく醜いことに思えるのですね。

 

 

 

ましてや、この映画の設定の中では、

大多数の人間は、東京の異常気象を終わらせるために、

少女に「死ね」と命令しているわけです。

 

 

 

それってどうなんかな、と思いませんか?

 

 

 

ところで、死ね、と他人に命令するような人間が、

いつもすごく残酷な相貌をまとっているとは限りません。

 

 

 

この映画の中でも、

少女に晴れにしてくれるようにお願いしてくるのは、

とてもあたたかな人として描かれるのです。

 

 

 

また、無鉄砲な少年に立ち向かってくる警察の刑事さんたちも、

いかにも世の中の常識というものを代表していて、温厚で、

少年たちをじつは保護し、正しい方向へと導いてあげるひとで

あるかのように、描かれるのです。

 

 

 

ですが。

 

 

 

そのような常識とか、通常とか、普通とか、

そういったものが成立する背景には、

実は、すごく醜い、

 

 

 

たった1人、あるいは、たった1つのなにか、

 

 

 

に特別な犠牲を命令することが、あるんじゃないか、って。

 

 

 

天機には、そういうふうに思えたのです。

 

 

 

それはとても醜いことなのですが、

その現実を、その醜い現実を、

みなの、大多数の利益とか、生存とかのために、

正しいことには目をつぶり、見ないようにして、

その、たった1人、たった1つに犠牲を強いることを受け入れる、

それが、

 

 

 

大人になる

 

 

 

ことなのかもしれません。

 

 

 

少年も、劇中で大人から、

 

 

 

大人になれよ

 

 

 

なんて、言われるんですね。

 

 

 

ところが。

 

 

 

この作品の面白いところは。

 

 

 

その少年が現実を受け入れて、大人になる、

 

 

 

という物語では、ない、ということなんです٩( ๑╹ ꇴ╹)۶

 

 

 

この、天気の子という作品は、たぶん、

革命の物語なんですよ。

 

 

 

ふつうなら、

少年も少女も、みなの幸福のために少女みずからは

犠牲になる、

その結果、東京は救われ、多くのひとが助かった、

という「ハッピーエンド」で幕切れのはずでしょ・・・?

 

 

 

ところが、この作品は、そうはしなかった。

 

 

 

たった1人の人間と、

世の中の大多数の人間(=世界)の、利益が相反したときに、

この作品は、

 

 

 

負けるのを、世界のほうにしたのです。

 

 

 

たった1人の人間を、勝たせることにしたのです。

 

 

 

この構造こそが、

この映画をみた多くの人間を、

なんだかよくわからない不快感にたたきこんだ原因であり、

反対に、

この映画を見た天機に、かつてない爽快感をもたらした原因だと、

天機は思うのですね。

 

 

 

なぜって、天機は、

 

 

 

たった1人の人間が勝つということのほうに、

ことのほか、喜びを感じる人間ですから。

 

 

 

天機のような人間は、じつは、

世の中では少数派なのかもしれません。

 

 

 

世の中の多くのひとは、たぶん、じつは、

革命というものを、あまり好まないような気がするんですよ、天機は。

 

 

 

非正規労働者は悲惨な待遇に窮迫している、とか、

学校ではスクールカーストがあって、とか、

そういったニュースは、定期的にネットにあがってくるのですが。

 

 

 

それって、もしかしたら、

 

 

 

強者が弱者を抑圧しているという、その体制

 

 

 

が維持継続されることのほうになんとなく安心感をおぼえる

ひとのほうが世の中にじつは多いからこそ、

そういったひとびとのニーズに合わせて、

そういった記事が量産されるのではないか、

と、天機なんかは思ったりするのです。

 

 

 

ところが。

 

 

 

この、天気の子という作品が世に出たのは2019年で、

まだ世界は、コロナなんてものは経験してはいなかったのですが。

 

 

 

2020年になって、全世界をコロナが襲うようになりました。

 

 

 

感染者数は世界で8500万人を超え、

死者数は200万人にせまろうとしています。

 

 

 

あきらかにこのコロナは、

多数の人間に対して牙をむいているのです。

 

たった1人の人間に対してではなく。

 

 

 

こんなとき、昔だったら、どうしたかな・・・・?

 

 

 

天変地異が起き、自然災害が起き、疫病が流行する・・・

 

 

 

そうすると、ひとびとは、それを鎮めようとして、

たった1人の人柱を立てて、神にお願いする・・・・

 

 

 

すると神はその犠牲をよしとして、

世界に秩序を回復させる・・・・・

 

 

 

そんなことが、この世界には、あったのかもしれません。

 

 

 

ちょうど、映画の天気の子のなかで、

主人公の少女が、東京の異常気象を鎮めるために、

人柱となったように・・・・

 

 

 

でも、映画の中では、少年少女は結局、

そんな世界と対決することを選び、革命を起こし、

結果、東京は水没しました。

 

 

 

いま。

 

 

 

この未曽有の災害が、新型コロナという災害が続く中で、

ふと、思うことがあります。

 

 

 

この災害が、続いているということは。

 

 

 

この災害が、急に已んだりしていないということは。

 

 

 

 

 

 

 

この世界で、

人柱にされて、

人知れず泣いているひとは、

まだ、いないんだな、と。

 

 

 

 

 

 

 

以上、天機でした(*゚▽゚)ノ