こんばんわ。天機です。
(約 2500字)
最近はずーっと、岩田帯の話を書いてきたのですが、
どうも、構想をうまくまとめられないんですよね。
そうこうしているうちに、何日も記事を更新できないという
悪循環がつづいていました。
そこで、これからは、思いついたときに、
岩田帯とは関係ない記事でも躊躇なくアップし、
岩田帯の記事は随時更新していく、という方針でいこうと思います。
さて、今回天機が気になったニュースは、
イギリスの総選挙で保守党が圧勝した、というニュースです。
去年のニュースですね。
天機は、イギリスの政治情勢に特段の関心があったわけではなかったのですが、
今回のイギリス総選挙は、
その結果がEU離脱の成否に大きく影響するというので、
関心がありました。
天機は、イギリスのEU離脱問題に大きな関心を持っているのです。
今回の保守党の大勝を受けて、欧米のメディアを含めたメディアは、
さまざまな報道をしています。
今回保守党が勝ったのは、決められない政治にイギリス国民がうんざりしたからだ、
という報道。
今回保守党が勝ったとしても、EU離脱に至るまでには、
なお、茨の道が続くだろう、とする報道。
報道するにあたって注目するポイントは多種多様のようですが、
概して、
イギリスがEUを離脱することを快くは思っていないことが、
それらの報道姿勢からは伝わってきます。
今回のイギリス総選挙での保守党の大勝については、
注目すべきポイントはいくつもあるでしょう。
しかし、いちばん落としてはいけない重要ポイントというのは、
イギリス国民はEUとの関係を断ち切りたいのだ、
という意思を、
2016年の国民投票についで、
再度、はっきりと示した
ということなのです。
今回の選挙で労働党は、
本当に国民はEUを離脱したがっているのかどうか、
再度の国民投票をおこなおう、ということを、
選挙の公約にかかげていたのですが、
今回の選挙の結果によって、
期せずして、そんな国民投票なんかをおこなわなくても、
国民の意思がはっきりと示されてしまったかたちです。
ところが、欧米メディアをはじめとしたメディアの多くは、
それは都合の悪い真実だからなのか、
イギリス国民の多くは、はっきりと、EU離脱の固い意志を持っている、
ということについては、
正面切っては報道しないようです。
1990年ごろに、いわゆる東西冷戦構造が終結し、
それから現在に至るまでのおおよそ30年間のあいだ、
全世界をずーっと、
グローバリゼーション
の拡大の潮流が席巻しつづけていました。
その流れの1つのあらわれとして、欧州が一体化していくという、
欧州統合の流れがあり、
また他方では、全世界にサプライチェーンが張り巡らされることになって、
先進国と発展途上国とが経済的に一体的な結びつきの流れの中に組み込まれて
いくことになってきたわけです。
このグローバリゼーションには、光と影の両側面があります。
しかし、すくなくともここ30年間は、
それが拡大する方向へと、時代の風は吹いていたわけなのですね。
それが、2016年、イギリスの国民投票でEUにNOが突きつけられて、
欧州統合の流れに、最初のシンボリックな挑戦がなされることになります。
期せずして、同年には、保護貿易主義をかかげるトランプ政権も、
アメリカにおいて成立します。
また最近では、グローバリゼーションの権化とも目されてきたカルロスゴーン氏の
失脚がありました。
日本から逃げましたけれども。
時代がある方向へと変化しようとするときには、
それを象徴するような出来事がつぎつぎと発生してくるものだ、
と、天機なんかは考えているのですが、
こうしてみてくると、
ここ最近、あきらかにグローバリゼーションの流れに逆風が吹いているなあ、
と思えてきます。
そして、経済や社会にかんしてのグローバリゼーションに対する拒否の流れは、
もっと大きな視点でとらえてみれば、
接続することへの拒否
を内包しているのかもしれない、なんて思うのです。
いやいや、こうやって人々がネットを介してつながるようになっているし、
家電製品なんかもIOT化していく流れなのに、
どうして接続を拒否するなんて言えるの?
と思われるかもしれません。
しかしながら、そうやってひとびとが「接続する」流れのなかで、
それと同時並行的に、
「接続したくない意思」のようなものが、
ひとつのパワーになってきているようにも見えるのです。
たとえば、先に述べたような、イギリスにおけるEU離脱を支持する潮流。
あれなんかも、国民投票のときには、大企業のCEOなんかは、
① EUとつながることの素晴らしさ
と
② EUとのつながりを絶つことのマイナス面
をさかんに喧伝して、それでイギリス国民をEU残留のほうへと導こうと
したわけです。
ところが実際にイギリス国民の心をとらえた考え方というのは、
移民による治安の悪化など、
③ EUとつながることのマイナス面
だったわけです。
ところかわって日本でも、コンビニの24時間営業というのにいま、
逆風が吹いているようにみえます。
コンビニの24時間営業への逆風と、接続することへの拒否が、
いったい、なんの関係があるの?
と思われることでしょう。
でも、時計の文字盤を思い浮かべてください。
1から12までの数字が、ぐるーっと時計の文字盤にならんでいます。
24時間営業をするということは、
その営業時間に
切れ目
がなかった、ということです。
ずーーっと、営業時間が
接続
していたのです。
24時間営業をやめるということは、その営業時間の中に
切れ目
が入るようになる、ということにほかなりません。
つまり、接続が象徴的に絶たれるわけです。
こういったことは、いま、世界中で起きつつあるように思われます。
イギリスのEU離脱、グローバリゼーションへの逆風、そして、
日本でのコンビニ24時間営業への逆風を事例としてあげましたが、
これまでパワーを持ってきた、
接続
というもの、そのものが、逆風にさらされるようになるのかもしれないと、
天機は考えています。