地球が寒冷化するだろう、という説を唱えている科学者が、
少なからず存在する。
「ミニ氷河期」「地球 寒冷化」といったワードで検索すると、
関連する事柄がヒットするだろう。
われわれが二酸化炭素を多く排出するために地球は温暖化しており、
それが深刻な気候変動の原因となっている、というのが、
現在、広く信じられているところの通説である。
パリ協定というのも、そういった考えをもとにして成立したものだ。
このパリ協定に、アメリカのかつてのオバマ政権は参加を表明した。
ところが、トランプ政権は、このパリ協定からの離脱を表明している。
トランプ大統領は、
地球温暖化などといったことは存在していない、とまで言明した。
一見したところでは、
トランプ大統領が、自然環境に関する深刻な現状を十分に認識していない、
と感じてしまうひとが、多いかもしれない。
しかし実際のところは、もしかしたら、
トランプ大統領のほうが正しいかもしれないのである。
意外なことに、
地球は温暖化に向かっているのではなくて、寒冷化に向かっているかもしれないのだ。
暑すぎるのも、寒すぎるのも、人間にとっては苦痛である。
物事はなんでもそうだが、ほどほどがいいのだ。
だからこそ、いちばん好きな季節は?とたずねられたとき、
春や秋を挙げる人のほうが、夏や冬を挙げる人よりも、概して多いのだろう。
では、暑いのと、寒いのとだったら、どちらのほうがいいだろうか。
これについては、いろんなひとが、いろんな個人的な意見をもっているだろう、
と思う。
しかし自分は、特別な考えから、
寒いほうを支持したい。
いまでこそ、世界は米国1強の様相を呈している。
が、ほんの数十年前までは、世界は、冷戦構造のさなかにあったのだ。
世界は、西側陣営と東側陣営にわかれて争っていた。
つまり、世界には「2」という数字があらわれていたのだ。
西側陣営と東側陣営、あわせて2つ、ということである。
そして、その両陣営の片方をしめていた東側陣営の盟主だったのが、
このソ連こそは、非常に寒冷な気候のもとにあった国家だったのだ。
そして、そのようなソ連という国が、どのようにして建国されたのかというと、
それは、理論によって建国されたのである。
人間の頭脳をもとにしてつくられた国家なのだ。
別の例をみよう。
樹木というのは、季節によって、その姿をかえる。
夏には、木々は、非常にたくさんの葉っぱを全身にまとう。
そこでは、「多数」というのが、あらわれてくる。
多数の葉っぱ、つまりは多数、ということである。
ところが、寒冷な冬になると、様相が違ってくる。
木々は、葉っぱを落とす。
あとには、木々の枝だけが、凍てつく空を背景にしてそびえたつことになる。
そこにあらわれてくるのは、「分岐構造」だ。
分岐していく枝枝、つまりは分岐構造、ということである。
ほかの例も見てみよう。
水というのも、温度によってその姿をかえるものである。
水というのは、温度が比較的高ければ、
流れる流水になったり、水蒸気になったりして、
自由に活動ができるものとなる。
ところが、寒冷な状態におかれると、水は、氷になることがある。
氷となってしまえば、もはや水は、自由に活動することができない。
つまり、寒冷というのは、水から自由を奪い、水を拘束するものなのだ。
さらにほかの例もみてみよう。
西洋占星術ではどうだろうか。
西洋占星術では、12の星座を使うのだが、
夏を代表する星座は「しし座」で、そのあらわすところは「力」である。
それに対して、寒冷な冬を代表する星座は、
しし座の真向かいにある星座「水瓶座」で、
そのあらわすところは「知恵」である。
ほかの例はどうだろうか。
日本の古くからの言い伝えなんかは、どうだろう。
「頭寒足温」という言葉がある。
足元はあたたかくし、頭は涼しくしたほうがよい、ということだ。
寒冷であることが、頭脳の働きに対してはプラスになる、
という、古くからの知恵なんだろう。
以上、さまざまな例をみてきた。
そして、自分はこれらの例をみながら、思ったんだ。
「寒冷であるということは、理と、強いつながりがあるんじゃないか?」
と。
この世界には、相対立する2つの原理がある。
1つは、
自分とは異なる他者の存在をみとめ、それを尊重する、という、理の原理。
もう1つは、
他者を犠牲にし、他者を犠牲にすることを通じてこの私が生きる、という、
生の原理。
寒冷である、ということは、この2つの原理のうちの、
理の原理のほうと、つよく結びついているのではないか。
そんなふうに考えたんだ。
そして、自分という人間は、
生の原理よりも、理の原理のほうを好み、支持する人間なのである。
であるからこそ、自分は、
地球が寒冷化することを支持するのだ。