短期間で勝利した。
今回、北朝鮮に対して、同様の軍事的オプションを選択することで、
短期間で同じような成果をあげることができるだろうか。
自分は、疑問に思う。
イラク戦争当時とは、さまざまな条件が異なっている。
北朝鮮というのは、貴重な資源が産出する国でもなんでもない。
米国が北朝鮮相手に戦争を仕掛け、勝ったところで、うまみは少ないのだ。
第二に、イラクというのは、周辺を中東各国がしめ、
戦争が発生してもたいした影響のない地域だったのだが、
北朝鮮周辺には、日本や韓国といった、経済的に発展した
人口密集地域が存在する。
戦火がそこまで広がれば、甚大な被害をそれらの地域におよぼす可能性がある。
第三に、イラク戦争においては、米国を中心とする有志連合各国が
イラクに侵攻しても、反対する国はあったが、
それを止めようとする国はなかった。
が、朝鮮半島で有事が発生した場合に、周辺各国が同様に座視するかといえば、
そうではないかもしれない。
追い詰めていったとき、
中国は義勇軍の派遣を決定した。
中国が、座して北朝鮮が米国の全面的影響下におかれるのを黙認する、
と期待するのは、甘いかもしれない。
第四に、北朝鮮の軍事力の問題がある。
イラクは、米軍に重大な反撃をくわえるような、核戦力も、
弾道ミサイル能力も、持ってはいなかったのだが、
北朝鮮は、いずれも持っている。
そして、時の変化というものもある。
かつて、
reasongomainstream.hatenablog.com
というブログ記事で書いたのだが、
2003年ごろを境に発展、繁栄していったものが、
ここ数年で、あいついで没落する、という現象が発生している。
つまり、2003年当時とは、時代の流れ、世の中の風向きのようなものが、
変化している可能性があるのだ。
今回も、悪の枢軸である小国を簡単にひねりつぶせると思っているのならば、
米国は、予想外の困難に襲われることになるのではないか。