矛盾という故事がある。
どんな盾でも防ぐことができない矛と、
どんな矛をも防いでしまう盾、
その2つは両立することができない、というのが、
その故事の結論だった。
一般的に、戦いにおいては、
攻撃するときに矛を、防御するときに盾を、それぞれ使う。
矛というのは、相手を殺すこと、つまり、
相手が生きようとするのを認めない、ということを、
その性質としてもつ。
いっぽうで盾というのは、
自分が生きようとするときに用いられる、という性質がある。
つまり、矛というのは、死にかかわる。
盾というのは、生にかかわる。
そして、死と理は共通性をもつことから、
矛は理に、盾は生に、それぞれかかわるといっていい。
いま、北朝鮮は、弾道ミサイルを発射するぞ、と脅迫している。
それに対して日米韓などは、
迎撃態勢をそなえようとしている。
弾道ミサイルというのは、いってみれば、矛だ。
迎撃システムというのは、いってみれば、盾だ。
この争い、はたして、矛と盾のどちらが勝つだろうか。