数え年、というのを、聞いたことがあるだろうか。
おじいちゃん、おばあちゃんなど、古い世代のひとは、昔は、
よく数え年で年齢を数えたりしていた。
42歳は男の大厄、などといわれたりするが、
この厄年の計算法も、数え年で数えた年齢を基準としている。
数え年で42歳は、男の厄年だ、ということだ。
では、数え年とは、なんなのだろう。
どうやって計算するのだろう。
普段、日常的に使っている満年齢に、1歳だけプラスしたら、
それが数え年なのだろうか。
じつは、それはちがうのだ。
数え年には、数え年の、独特の計算法がある。
ウィキペディアなどで、数え年の計算法をしらべてみると、
「生まれた年を数え年1歳とし、以降、1月1日がくるごとに、
1歳ずつプラスしていく」などと書かれている。
なるほど、そうなのか、と思うだろう。
たしかに、日常的に簡便に数え年を扱う際には、これでも事足りる。
しかしながら、東洋占術をやる際には、注意が必要だ。
四柱推命(子平、先天八字)、あるいは、紫微斗数といったものが、
東洋占術の代表的なものなのだが、
これらはもともと、中国発祥のものである。
これらの占いでは、年齢の計算は数え年が基準になっているのだが、
その数え年を計算する際には、やはり、
中国式のやり方を用いなければ、東洋占術として機能しなくなってしまうのだ。
数え年の、簡便な計算法では、占いの役にはたたないのである。
では、東洋占術での、数え年の計算法とは、どのようなものなのか。
それは、以下のようになる。
「生まれた時点(生まれた年、ではない)を1歳とし、以降、
旧暦の1月1日(旧正月)がめぐってくるごとに1歳ずつ加える」
このようになるのだ。
であるから、数え年で数えた年齢は、満年齢プラス1歳、あるいは、
満年齢プラス2歳、のいずれかになる。
具体的な例で考えてみよう。
太陽暦(グレゴリオ暦)での10月にうまれたひとがいるとする。
このひとは、うまれた時点で、数え年1歳である。
数え年に0歳はない。はじまりは、数え年1歳からだ。
月日がめぐり、1か月から2か月ほどたって、太陽暦での元日がきたとする。
しかし、そのひとの数え年での年齢は、変化しない。
太陽暦での元日、ふつうわれわれが年賀状を受け取ったりする元日の到来は、
東洋占術での数え年には、変化をおよぼさない。
それからしばらくたって、
太陽暦での1月末ごろから2月上旬ごろにかけて、
旧暦の1月1日(旧正月)が到来したとする。
旧正月は、だいたい、毎年それくらいの時期にやってくる。
この時点で、そのひとは、数え年2歳になる。
それから8か月ほどたって、太陽暦での10月がやってくる。
そして、そのひとが実際に生まれた10月の誕生日がやってきたとする。
しかしそのことは、数え年には、なんら影響しない。
そのひとは、満1歳になるのだが、数え年は2歳のままである。
別の具体例でみてみようか。
太陽暦での1月にうまれたひとがいるとする。
このひとは、うまれた時点で数え年1歳だ。
ただ、このひとの場合、うまれたのが太陽暦の1月だから、
うまれてからわずか数週間ほどで、
ただちに旧正月がやってくることになる。
そうすると、やはり、そのひとは数え年2歳になる。
そのひとが数え年1歳であったのは、わずか数週間だけ、ということになるのだ。
うまれたのが太陽暦での2月上旬で、旧正月がその数日後にやってくる人もいる。
そういうひとは、
数え年1歳であったのは、うまれてから数日間だけ、ということになる。