女性はなぜ髪の毛をのばすのだろう。
そして、男性はなぜ髪の毛を短く切りそろえるのだろう。
世界のほとんどの地域で、一般的に、
女性の髪の毛は長く、男性の髪の毛は短い。
これについてネットで調べると、
そうしたほうが女性は美しくみえるから、とか、
文化的な要因とか、いろいろ回答があっておもしろかった。
自分は、このことについても、
この世界の不思議に関連付けて、独自説をたてようと思う。
この世界のはじまりに、矛盾という女性がいた。
その女性がはじめて産んだ男の子が理で、
2番目に産んだ女の子が生だ。
この世界生成の原理は、具体的な現象でなぞられる。
たとえば1日は、
はじめに夜の暗闇の黒があって、
朝日がのぼると太陽の光の白がみちあふれ、
夕方になると夕焼けの赤にあたりはそまる。
人間の出産のときでいえば、
まず髪の毛があらわれ、
つぎに頭があらわれ、
最後に胴体があらわれる。
つまり、髪の毛というのは、
世界のはじまりに存在した、矛盾という女性をあらわすものであって、
つまりは、女性なのだ。
だから女性は、女性である髪の毛をいとおしむかのように、
長くのばすのではないだろうか。
では、男性はなぜ、髪の毛をみじかく切りそろえるのだろう。
世界のはじまりに矛盾という女性がいて、
その女性が、はじめての子となる男の子である理を産んだ。
これは、無性生殖である。
うまれた理という男の子は、拡散していき、やがて原初に回帰して、
自分を産んだ母である矛盾という女性とまじわろうとした。
はじめての有性生殖である。
暗闇に光をともすと、そこにあった暗闇は殺される。
この、はじめてうまれた子である理と、その理をうんだ女性である矛盾の
まじわりは、
矛盾にとってはみずからの死を、
理にとっては自分の母の殺害を、
意味するほど、深刻で悲劇的なものだったのではないだろうか。
今日でもそうだろう。
男女はセックスをする。セックスをして、子供をつくる。
これが有性生殖である。
つまり、最初のセックスのとき、
そのときだけ、女性には、破瓜という特別の苦しみがあたえられ、
出血がともなう。
これはもしかしたら、
はるかな昔におこなわれた、はじまりの女性である矛盾と、
その子である男の子の理の、はじめての有性生殖が、
けっこう悲劇的なものであったことに由来するのではないか。
つまり男の子というのは、世界生成の原理の中で、
はじまりの母という女性と交わるさいに、その女性を殺害してしまうのである。
だから今日でも男性は、
はじまりの女性をあらわす髪の毛を、
ハサミでカットして切り殺してしまうのではないだろうか。