自転車を路上に放置していて、市や区に撤去されることがある。
その自転車を、回収に行くべきだろうか?
回収に行った場合のコストを考えてみよう。
①撤去保管料 2000円から3000円
②保管場所までの往復の時間 2時間として、時給1000円換算
だと2000円
③往復の労力 とくに、帰りは比較的辺鄙な場所から自転車を
長距離、運転して帰らなければならない労力
④行きしなにかかる交通費
こういったものが必要になる。
これは、もともと所有していた自転車を、以前とおなじように
所有している状態に戻そうとしたときにかならずかかるコストだ。
そしてこのコストは、放置していた自転車を撤去されてしまった
時点で、すでに潜在的に発生していて、実際に回収に向かうことで、
その潜在的なコストが現実化する。
とはいえ、この潜在的なコストを現実化させるかどうかは、
自分の意思決定しだいだ。
たとえば、撤去された自転車を回収に行かずに、新しい自転車を
購入したとすると、新車の購入代金はかかるかもしれないが、
その費用負担は、新車の購入代金から、回収にかかる潜在的なコスト
を引いたものになる。
自転車を撤去されてなどいない状態で、ふつうに新車を買う場合には、
その費用負担はまるまる新車の代金そのものであるが、
自転車を撤去されていてそれを回収に行かねばならないという状況下
で新車を買う場合には、その費用負担は、回収にかかるコストが
割り引かれたものになるのだ。