この世界の不思議

この世界のいろんなことについて、思ったことを書いていきます。

「こども保険」が事実上の増税であるのならば、許されない。

自民党の若手議員でつくる委員会が、こども保険なるものを創設

しようとしている、とヤフーニュース。

幼児教育の無償化などを社会全体で支えるため、

社会保険料に上乗せして保険料を特別に徴収するという。

 

おかしくはないか?

われわれは、社会のさまざまな公的サービスを実現するために、

「すでに」税金や社会保険料を支払っている。

この項目にお金が必要、この項目にもお金が必要、ということで、

その都度、つぎつぎに個別にお金をあらたに徴収していくのなら、

事実上の際限のない増税が可能になってしまうわな。

幼児教育の無償化などにお金が必要であるのならば、税金の使途として

その分野をとくに重視して配分しましょう、というのがスジじゃないの?

つまり、あらたに国民からお金を徴収するのではなく、

従来の税収の中で、その税収の使途の配分を変えることで対応する

のが当然のやり方だろう。

 

また、こども保険として、保険という名前がついているからには、

保険料を支払った者が、受益者にもならないとおかしいわな。

一方的に保険料だけ支払うが、自分には子供などまったくいないために

払い損になるひとがでるのでは、公平な制度とはいえないわ。

 

こども保険、問題がとても多そうだ。

そして、問題があるのは、今回のこども保険にかぎったことではない。

おかしいと思うことは、ほかにもある。

 

貧困家庭のこどもを支援するために、寄付金をつのる、という政府の方針。

それは、税金でやるべきことだろう。

そのために税金を支払っているのだから。

なんで、あらたにお金をとろうとするの?

 

また、東京オリンピックの運営のために、通訳ボランティアを無償で

働かせようとする方針。

なんで、正当な対価を支払おうとしないの?

ボランティア、ボランティアって、なにかボランティアを、

無償で手に入る都合のいい労働力とでも考えているのではないかな?

 

必要だから、とか、利益があるかどうか、利用できるかどうか、とか、

そういった観点よりも、

公平なのか、公正なのか、正しいのか正しくないのか、

といった観点をもっと重視すべきだと、せつに思う。

裏目に出る積極経営。

ここのところ、積極的な経営姿勢が裏目にでる例があいついでいる。

 

液晶事業に集中する積極経営で破たんしたシャープ。

原発事業に積極的に乗り出し破たんした東芝

 

積極姿勢と言えば聞こえはいいが、裏をかえせば、

慎重さに欠けるということでもある。

巨大地震による津波の可能性を甘く見た東京電力も、

慎重さに欠けていたのである。

 

世の中、プラスを手に入れることばかりが大切なわけではない。

マイナスを発生させないことも、同じくらい大切なことだ。

マイナスの発生の可能性をつねに頭におき、

それに対する対策をうつ慎重さをもつ。

経営でも、人生でも、大切なことではないだろうか。

福島の原発事故と、悔やまれる東電の備え。

福島の原発事故が発生してから、約7年がたった。

放射能汚染の影響によって、福島県を中心に甚大な被害が発生した。

その被害金額は、莫大なものになるだろう。

 

福島の原発事故の直接的な原因、すべてのスタート地点は、

はっきりしている。

津波による浸水だ。

 

もしかりに、東京電力が、

東日本大震災で発生したような津波にも耐えられるような、

圧倒的な高さと厚さをもつ壁で福島原発周囲を囲んでいたら。

今回のような悲惨な事態は防げたかもしれない。

 

おそらく、そのような壁を建設するのに要する費用は、

原発事故が発生してしまったことにより被った被害金額よりも、

はるかに少なくてすんだんじゃないだろうか。

 

すべては、後の祭りである。

東電はその当時は、

そんな高い津波など、来るはずがない、

と判断してしまったのだ。

 

わずかな可能性、ほんの小さな可能性であっても、

それがあまりにも小さいことを理由に、それをゼロとみなしてしまうと、

この世界は、ときに復讐してくるものだ。